銀聯カードとは?

銀聯カードとは、中国の中央銀行にあたる中国銀聯が発行しているクレジットカードです。中国銀聯は、上海に本社を置く銀行カード連合組織のことで、2002年3月に中国人民銀行の批准の元で設立されました。中国を中心にオンライン決済システムを発展させることを目的としており、その加盟機構数は年々増加を続けています。

加盟店は中国国内だけでも200万以上に達していると言われており、日本、アメリカ、ドイツ、フランスといった先進国を中心に20以上もの国に拡大中で、今後も増々広がっていくことが予想されています。世界で発行されている枚数は有に30億枚を超えると言われ、すでに枚数の上でも世界一を誇っていますが、その枚数は日々更新中で、普及率の高さがうかがえます。

銀聯カードは中国国内で最も知られているカードであり、同時に世界中でポピュラーなカードとして認知されているのです。

中国はそもそもクレジットという概念が定着しにくい国柄です。その理由のひとつとして信用情報機関などの個人のカード利用に関するデータや審査機能がまだ十分整っていないということが挙れています。

信用情報機関と言えば、クレジットカードやカードローン、住宅ローンなどを利用する際に申込み者の過去の借入状況や申込み履歴、返済状況、残金、事故情報まで賃借に該当するほとんどの情報を束ねている機関です。クレジット系、消費者金融系、銀行系などに分かれています。その信用情報を元に申込者の審査をして返済や支払い能力があるかどうかを判断するわけですが、中国ではその機能と情報データがまだ十分整っていないと言われています。

しかし、中国では近年の経済発展に伴い、現金を所持していない場合にもショッピングで利用可能なカードを普及させる必要があります。デビットカードとして使える銀聯カードがここまで中国全土で普及したのは、中国のそういった事情が背景になっていると言われています。

デビットカードは口座を持っていればダイレクトに引落しができ、クレジットの特徴である立て替えとは異なる性質を持っています。カード決済に対応している店舗や施設で簡単に決済が可能です。デビットカードはあらかじめ銀行がセキュリティ上設けている限度額の制限はあるものの、その範囲内であれば利用限度額を自分で自由に設定可能で、口座の残高イコール利用限度額と言えます。大きな買い物をする場合は、わざわざ銀行で現金を調達するより銀聯カードでオンライン決済すれば同じにように使えるということです。

このようにクレジット機能もついたデビットカードという役割を兼ねているため、口座からの引落しがスムーズにできます。中国人の持つ銀聯カードの多くはデビットカードとしての役割に限定されますが、日本人が作る場合はクレジット機能がつけられます。これは、日本では審査に必要な信用情報などのデータや機能が整っていることで可能になっています。

しかし注意点もあります。銀聯カードは基本的に1回払いでの決済になるため、1回の使用での金額が自分の支払い能力を超えないように考えて使いましょう。しかし、それはクレジットカードとして使う場合のことで、普及率の高さはカードを使う上では重要な条件と言えます。

高い普及率に加え、中国ではほとんどの店舗で利用が可能なことが、銀聯カードの人気をさらに押し上げる理由と言えるでしょう。中国でも世界でも使える場所が拡大中の銀聯カードは、VISAやマスターカードと並ぶ国際的なカードという位置づけになりつつあります。世界を旅する人や出張などビジネスでの移動が多い人はもちろん、中国へ頻繁に訪れる人なら1枚持っていると便利に活用できるカードではないでしょうか。

銀聯カードの特徴

銀聯カードが中国でここまで多くの人に使われているのには、他の理由もあります。中国では銀行口座を作ると自動的にキャッシュカードが発行されます。これはどこの国でも見られることで特殊なことではありませんが、中国の場合はそのキャッシュカードに銀聯カードが最初からついているのです。そのため、中国国内で口座を持っている人であれば、無条件で銀聯カードが使えるようになります。つまり、銀聯カードはキャッシュカードとデビッドカード、クレジットカードとしても使える、中国で暮らす人にとって生活に密着した便利なカードなのです。

一方、中国国内でクレジットカードが普及しにくい原因は審査機能が十分ではないということも理由ですが、それだけではありません。実際に中国では富裕層を中心にクレジットカードを利用している人はいます。他の国に比べて普及率はまだ低いですが、まったく使用されていないわけではなく、富裕層のように資産や収入が十分であることが見込まれる人であればクレジットカードの発行と利用はされています。

しかし、問題は富裕層以外にあります。中国は貧困差の大きい国として知られており、富裕層はほんの一握り、中国全体のおよそ30%という低さです。近年は中国でのバブルが取り上げられてきましたが、実際には貧富の差が広がってしまいました。生活水準が低い国民は半数以上にも及び、クレジットカードの発行条件に見合うような収入を得ていない人がたくさんいます。

クレジットカード発行に伴う審査が十分でないとはいえ、まったく何も審査されないわけではありません。収入などを基準にした判定基準のようなものがあります。

しかし、仮に日本のような信用情報機関によるしっかりしたデータがあり、個人の収入だけでなく過去のデータから支払い能力を判断する情報が整理され、カード発行の審査として適用される場合であっても、貧困層が多い中国では審査に通ることができる国民はかなり少ないことになるでしょう。デビットカードは中国に限らず日本でも口座さえ持っていれば無審査で作れるカードです。そのデビットカードとして使える銀聯カードが、貧困層が多い中国で高い普及率を誇るのは当然のことと言えるでしょう。

また、銀聯カードが中国で信頼性の高い決済方法として人気なのは、そのセキィリティの高さにも理由があります。銀聯カードは日本で発行されているクレジットカードとは異なり、6桁の暗証番号を設定します。さらに、プラスサインが必要になるので、安全性の高いカードとしても知られているのです。

そして、中国ならではの特殊な事情もあります。中国国内では偽札が多く出回っていると言われています。そのため、現金を使用する場合はショッピングのたびに偽札のチェックが必須条件なのです。この偽札をチェックしたり、対処したりする作業だけでも相当な手間や労力が必要になります。

また、中国特有の紙幣事情で現金を持ち歩くのがあまり現実的ではないなどの事情も抱えています。これらのことも、現金での支払いや所持に抵抗がある中国人の間で銀聯カードの増加に拍車をかけている理由と考えられます。さまざまな理由や中国が抱えている事情を考えただけでも、銀聯カードは中国人にとって信頼できる安全性の高い財布と言っていいでしょう。

銀聯カードを持っていると、どんなメリットがあるの?

多くの中国人が銀聯カードを持つには、中国国内で発行されている紙幣の種類の事情も大きく絡んでいます。中国では日本の1万円札に相当するような高額な紙幣がありません。中国での最高単位の紙幣は100元ですが、これは日本円に換算すると2,000円に満たない低い金額に相当します。そのため、多額の金額を持ち歩くにはかなりの枚数の紙幣を持ち歩くことになってしまいます

例えば、家電品やブランド品のバッグや服など多少高額なものを購入する場合には、相当の枚数のお札を財布に入れておく必要があります。10万円程度の現金を持つなら、日本なら10枚の紙幣で済んでしまいますが、中国では50枚以上の枚数に及んでしまうのです。

これだけの現金を財布に入れることが邪魔で面倒であるだけでなく、スリが多い中国では大量のお札を持って歩くということは盗難のリスクを伴います。そのリスクを回避できる上に、大量のお札が必要な場合でも膨らんだ財布を持つ必要がなく、たった1枚のカードで現金同様に便利に使える銀聯カードは、非常に大きなメリットがあると言えるでしょう。

銀聯カードは中国国内のどのATMでも利用できる心強いカードですが、世界中でも便利に利用できます。海外でカードが使えるということは、ショッピングやホテルのサービスの利用をスムーズにしてくれますが、中国だけに留まらず、海外でもATM利用が可能な上に、さらに現地の紙幣が引き出せるのです。

カード決済に対応していない個人の飲食店やショップなど、どうしても現金が必要になる場面はあります。また、日本ではなじみがないチップなどの習慣も基本は現金です。ホテルのルームメイキングや、タクシーなどのサービスを受けた際は、チップを現金で渡すのが習慣になっています。

もちろん、海外でもデビットカードとして使うことができるので、カード対応の支払いは銀聯カードで決済し、現金が必要な時には現地のATMで現地の通貨を引き出せば、旅行や出張が便利でスマートなものになります。これは、近年ニュースにもなっている中国人観光客による日本での爆買いにもその様子が表れています。

中国から海外渡航に持ち出せる現金に制限があり、その金額は最高でもわずか20,000元です。これは日本円にするとおよそ38万円に相当するもので、決して大きな金額とは言えません。その一方で、日本への持ち込み可能な金額は100万円までとされています。このギャップは非常に大きなものです。国内から現金で持ち出せる金額だけでは、海外で高価なものを購入したり爆買いと呼ばれる大量購入もできません。その上、旅行用に換金する目的で20,000元もの現金を引き出すだけでもお札量のかさむことになります。そこで、換金の手間もない上に持ち出しの制限にも左右されない銀聯カードでの買い物を楽しむ中国人が多いのです。

もうひとつ、銀聯カードが人気な中国ならではの事情があります。それは、VISAやマスターカードのような日本を含め世界で馴染みのある国際ブランドのクレジットカードが、中国国内では利用できないことが多いということです。これは小さな地方都市に限定されたことではなく、上海や北京といった大都市でも見られます。知らずに海外から中国へ渡航した外国人にとって不便な問題が浮上にすることになります。そのため、観光やビジネスで中国に頻繁に行く人や長期滞在をする人なら、銀聯カードを1枚持っているだけで十分便利に滞在できます。むしろ、銀聯カードを持つことは中国を訪れるには必須条件とも言えるのです。

 

日本での銀聯カード利用は可能?

中国で銀聯カードがどれほどの高い普及率を誇っていて、利便性の高いカードだということが分かったのではないでしょうか。そこで、この銀聯カードが日本で実際に使えるのかを見ていきましょう。

中国人が銀聯カードで中国国内のさまざまなショッピングやサービスの決済を行っているように、日本では多くの人がクレジットカードやデビットカードでの決済を利用しています。大きな店舗やホテルだけでなく、コンビニやスーパーマーケット、レストランなど日常的な場所でもクレジットカードを利用する人は多いのではないでしょうか。財布を持たずに出かけても簡単に決済ができるのは本当に便利で身軽です。銀聯カードには多くの魅力があるので、持つのであれば中国に渡航した時だけではなく、日本国内でも使えることが理想的です。

日本人が日本国内で作る銀聯カードは、中国人が中国国内で作る銀聯カードとは性質が異なり、デビットカードではなく、クレジットカードとしての利用になります。日本ではセブンイレブンやローソンをはじめ、コンビニを中心に銀聯カードでの決済が対応できるところは拡大しています。しかし、デビットカードではなく、クレジット決済であるという違いは覚えておきましょう。

一方、日本に訪れる中国人観光客の場合は、デビットカードとして決済できます。また、セブンイレブンやローソンのATMで現金の引き出しが可能です。1つだけ注意したいのは、ATMの種類によって利用できない場合もあるということです。全店ではなく銀聯カードに対応したATMを完備した店舗に限定され、店内または入口に銀聯カードのある店舗やATMにマークが記載されていれば使うことができます。

しかし、銀聯カードは対応している加盟店でも一部で使用が難しいという声も聞かれますので、利用可能とされているコンビニであっても、ATMでの引き出しや決済を銀聯カードで行う前に、再度、銀聯カードのマークがあることを必ず確認してから利用しましょう。

なお、銀聯カードの日本での決済はクレディセゾンが代行しています。これは銀聯カードの発行をクレディセゾンが行っているということではありません。銀聯カードによって決済された利用データがクレディセゾンに集められ、そこから代金の支払いや清算などの作業をそれぞれの店舗など利用したところに行うということです。

そのため、実際に銀聯カードに対応している店舗や施設はクレディセゾンと契約していることが前提ということになります。クレディセゾンが決済を代行していることで、今後も増々日本国内での銀聯カードの利用が広がっていき、便利になっていくと考えられます。

日本での銀聯カード発行方法は?

中国に渡航する機会の多い人が銀聯カードを持つことは、十分メリットがあると言えます。仕事やプライベートに限らず、中国への渡航頻度の高い人や滞在日数の多い人にとっては、銀聯カードはなくてはならないカードといえます。

さらに、今後も日本国内での広がりも期待できるでしょう。また、仕事の事情で、中国国内で暮らしていた人であれば中国で口座を作り、すでに銀聯カードを持っているという人もいるでしょう。日本に帰国しても利用できるというのは非常に便利です。

すでに何度か旅行している人や渡航の多い人、今後中国に旅行する人、出張が増える予定がある人は、日本国内で銀聯カードを契約しておくと現地に着いてからすぐに使うことができます。日本では三井住友VISAカードとMUFGカードで銀聯カードを発行しています。中国に口座を持っていない日本人でも国内にいながら銀聯カードが持てます。これで、中国への渡航の際には銀聯カードを持って颯爽とショッピングやホテル利用ができるようになります。

それでは、それぞれの会社での銀聯カードの発行手順や申込みに必要なものについて説明しましょう。

三井住友VISAカードでの銀聯カード発行方法

三井住友VISAカードでは、三井住友VISAカード銀聯カードとANA銀聯カードの2種類を発行しています。申込み資格やカードデザインが異なるだけで、それぞれ年会費や利用条件などは多く共通しています。

「三井住友銀聯カード」の基本情報や特徴のまとめ  

申込み条件はどちらも年齢が高校生を除いた18歳以上ですが、ANA銀聯カードはさらにANAカードVISAカード、ANAマスターカード、ANA VISA Suica、ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカードの会員であることが前提になっています。

利用限度額はどちらも10万円〜80万円で、キャッシング枠は付帯できません。入会時の金額は本会員が2,000円(税抜き)ですが、年会費は無料です。申込みには金融機関の通帳またはキャッシュカード、運転免許証などの個人情報が分かるものが必要になります。

申込みはインターネットで可能なので、これらの必要なものを用意してから行うとスムーズに進めることができます。入力画面に名前や住所、連絡先などの個人情報を入力し、次に職業または学校名などを入力します。

そして、利用についての説明を確認したら申込み番号が案内されます。それを元に各金融機関のサイトで引落しの手続きを行いましょう。

ネットでの申込みにかかる時間はおよそ10分が目安です。

 

MUFGカードでの銀聯カード発行方法

申込み条件はMUFGカードをすでに持っている人になります。MUFGカードがない人は最初にMUFGカードを作る必要があるので、そちらから申し込みましょう。

   

銀聯カードの年会費は、本会員が1,000円(税抜き)で家族会員は300円(税抜き)です。ダイレクトに銀聯カードを作る場合もインターネットからの申込みができます。MUFGカードを持っている人はサイトからログインして手続きをしましょう。

これからMUFGカードを作る人もインターネットから申込みが可能ですが、事前に金融機関の口座が分かるものや運転免許証など身分証明書を用意しておくとスムーズに進められます。自分が希望するカードを選んで必要事項を入力してMUFGカードを作ります。銀聯カードは後から追加するという形になります。

日本で発行される銀聯カードはクレジットカードになるため、発行には審査が必要です。信用情報機関の記録に問題がないようにしておきましょう。MUFGカードで銀聯カードを作る場合で事前にMUFGカードを持っている人はこの審査に左右される心配はありませんが、利用状況を考えて作りましょう