NISAの制度内容とメリット・デメリットを理解して、効率のいい資産運用を始めよう!

目次

NISAとは?制度内容の詳細を詳しく

2014年から始まった新制度であるNISAですが、当初はCMなども頻繁にやっていましたし、各証券会社ともNISAの宣伝活動に躍起になっていました。そのため、現在ではNISAという言葉だけは聞いたことがあるという人も多いと思います。では、具体的にNISAとはどのような制度なのでしょうか?

まず、NISAは正式名称を『小額投資非課税制度』といい、投資で得た利益への課税を免除することを目的にした制度です。この制度は、個人の持っている現金資産を投資へとまわしてもらうために考え出されたものです。NISAは既にイギリスで実施されていたISAという制度を参考にして作られました。日本は海外と比べても、投資に対するイメージがあまりよくなく、儲かる可能性があるのは分かっていても、どちらかというとリスクが高くて大損をするというイメージを持っている人の方が圧倒的に多いといわれています。

一般的に安全と思われている銀行預金なども、結局は銀行が企業への融資という形で投資をして運用されているわけですが、個人の判断や自己責任が伴う投資は保守的な日本人にとってはなかなか踏み切れないことが多いのも事実なのです。現金は経済の流れの根本であり、現金の流れが止まることは経済の停滞を意味します。そのため、国も企業も国民に対して、より投資に興味を持ってほしいということなんですね。そんな日本で始まった新制度がNISAなのです。
※参考:『定期預金とは?特徴を活かして貯蓄を増やそう!

上場会社の株式や株式投資信託の利益が非課税になる

NISAは、投資で得た利益を免除する制度だと説明しましたが、投資ならばどんなものでもいいわけではありません。NISAで非課税が認められているものは、上場株式、または株式投資信託の売買益や譲渡益、もしくは配当金などに対するものだけです。つまり、非上場会社の株式などで利益を得たとしても基本的には、この制度の対象外となります。現在の日本の税制では、株式投資や投資信託などで得た利益に対して、20.315%の税率が課される仕組みになっています。『投資で得た利益の税率は20%』という話をどこかで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。この税率20.315%がNISA口座では非課税、つまり税金が課されないのです。

例えば、100万円の株式を持っていて、売買益が20万円出た場合、普通の一般口座では20万円に税率20.315%を乗じた40,630円が税金として徴収され、手元に残る最終的な利益は20万円から税金分を差し引いた159,370円となります。一方、これをNISA口座で運用していた場合は20万円の利益がそのまま手元に残るということになります。この例では利益20万円で計算していますが、当然運用資金が大きければ大きいほど利益の額は大きくなりますし、それに伴ってNISAによって得られる恩恵も大きくなっていきます。また、これが数年間に渡って長期投資をされている方であれば、累積する税金が免除されることになりますのでより大きなメリットが得られることになります。

運用している口座が違うだけで、ここまで利益に差が生じてしまうわけですから、NISAが注目されている理由も納得できますね。
※参考:『仕組みと選び方を知って投資信託を始めよう!

確定申告が不要になるのもNISAの大きな特徴

投資で得た利益には税金が掛かりますので、本来であれば確定申告が必要になってきます。しかし、そもそも税金の掛からないNISAという制度を利用することによって、確定申告までが不要になるのです。毎年、2月から3月にかけて行われる確定申告ですが、会社勤務の方の場合には、給与に対する所得税は源泉徴収という形で納められていますので、なかなか確定申告をする機会はありません。しかし、会社の給与以外で原則20万円以上の収入がある場合には、確定申告をする必要が出てきます。確定申告は年間を通算して、さまざまな種類の収支を計算し、1年間通してどれほどの収入があったのかを計算します。税金を確定させるものですが、逆に払い過ぎた税金の還付が受けられる制度でもありますので、とても重要な手続きと言えます。

そんな確定申告ですが、さまざまな必要書類や手続きが求められますので、毎年行っている方以外は負担の大きいものになります。一般に難しく面倒だと思われている確定申告の手続きが省略できるという点もNISAのうれしい利点です。ただし、NISA口座であっても確定申告が必要な場合があるので注意が必要です。それはNISA口座の受領方法に関して、どのような方法を選択しているのかによって変わってきます。申し込む前の方は事前に、申し込み後の方は今一度契約内容を確認しておきましょう。

一般的に、株式数比例配分方式という受領方法を選択している場合にはNISA口座への入金がされますので、確定申告の必要はありません。ただし、それ以外の方法を選択していて、指定の銀行口座など他の口座への入金が行われる場合については確定申告が必要になってきますので注意が必要です。NISA口座の開設をするのであれば、特にこだわりがない限り、利点を最大限活用するためにも株式数比例配分方式を選択することをおすすめします。

NISAを利用する上で知っておきたい注意点

ここまでNISAで得られる恩恵や、話題になっている理由の大まかな部分に触れてきましたが、NISAに対する注意点もお伝えしておきましょう。まず、NISAに対するもっとも多い勘違いは、非課税の対象となる金額の考え方です。NISAでは最大600万円、1年間で120万円までの投資額に対して最長5年が非課税になる制度です。これを最大600万円、1年間で120万円までの利益が非課税になると思っている方が多いのですが、そうではなく、あくまでの最大600万円、年間120万円というのは投資額の話です。つまり、1年目で200万円を投資した場合、差し引き80万円分に対して得た利益や配当金について非課税の対象外ということです。この点から、NISAは大きな資金を運用している人や、機関投資家に対しては適用されない制度であり、あくまでも個人投資家を想定していることが分かりますね。NISAの正式名称でもある小額投資非課税制度の少額という名称は、ここから来ているものです。

これに関連して、1年間で120万円というNISA口座の上限は、たとえその年に上限金額まで達していなかったとしても、翌年以降に余った枠を持ちこすことはできないということも押さえておきましょう。1年目で100万円分の投資を行っており、そのまま2年目に突入した場合、本来であれば1年目には、あと20万円分の非課税枠が残されているわけですが、この20万円の枠を2年目に持ちこして140万円分が2年目に非課税になるわけではないということですね。

また、NISAの制度の対象となるのは日本国内に住む20歳以上の成人であること、取引ができるのは1人1口座までであるということも基本的なところではありますが、しっかりと押さえておきたいポイントです。NISAを効果的な資金運用のツールとするためにも、このような点はしっかりと事前に知っておきたいですね。

NISAを利用することで得ることができるメリット

NISAの最大のメリットは既にお伝えしたように、何といっても売買益や配当金で得た利益が非課税になるということです。これがもっとも大きなメリットであるということに対しては誰も異論はないと思いますが、実はNISAには他にも細かいメリットが存在するのです。

NISAという制度では個別銘柄の株式だけでなく、投資信託なども利用することができます。投資信託とは、個人投資家は資金を投下するだけで、どの銘柄に投資をするのか?といったことや、どの程度の割合でポートフォリオを組むのか?といった細かな内容は投資のプロが決定し、運用してくれるサービスです。もちろん、投資信託では手数料が差し引かれますが、投資の知識や経済の知識が乏しい初心者であっても、安定的な資金運用をすることができると人気のサービスです。個別銘柄と違い、小額から投資ができるという点も初心者にとっては魅力的なポイントです。本来、個別銘柄の株式は1株単位で購入できるところは少なく、100株1単位などとして売られているところがほとんどです。この場合、1株が1万円だとしても、最低単位が100株ですので最低でも100万円が必要になってきます。

100万円という金額は、これから資産運用を始めようとする初心者にとってはとても大きな金額であり、なかなか手が出せませんね。しかし、NISA口座で投資信託を利用することによって、数万円という金額から実践的な投資を体験することができるのです。このように、NISAでは非課税という最大のメリットに加えて、これから投資や資産運用を始めようと考えている初心者にとって、とてもありがたいメリットがそろっている制度だということがわかります。
※参考:『資産運用の初心者が取り組めることは?まず様々な方法の基本を知ろう!

実際に始めてみよう!NISAを始める手順

NISAを実際に利用して、投資を始める場合にはどのような手順を踏んだらいいのでしょうか。ここでは、一般的なNISAを利用した投資の始め方をご紹介します。

まず、NISAを利用して投資をするのであれば、NISA口座を作らなければなりません。NISA口座を単独で開設できるところはなく、どんな証券会社であってもまずは総合口座を開設するところから始まります。そのため、まずは総合口座の開設をする証券会社を選ぶところから始めましょう。証券会社を選ぶ際のポイントは、『どのような商品を取り扱っているか?』ということです。証券会社によって、取引ができる商品は変わってきますので、自分が投資したい商品がしっかりとそろっていることを最重要項目として証券会社を吟味しましょう。ちなみに、銀行もNISAのCMをやっていますし、実際に銀行でNISA口座を開設することはできますが、基本的に銀行のNISA口座は株式の取引ができない仕組みになっています。そのため、上場会社の個別銘柄への投資を考えている場合には銀行では無く、証券会社という選択になります。

逆に、投資信託のみを利用するという方でしたら、銀行のNISA口座の開設を考えてみるのも良いと思われます。実際に総合口座の開設をする証券会社を選んだら、申し込んで総合口座の開設をします。総合口座は基本1週間程度で開設することができますので、口座の開設が完了したら、今度はNISA口座の開設を申し込みます。こちらも基本的な本人確認などの流れは同じですが、管轄税務署の確認作業が入りますので、総合口座よりは多少長くかかる場合が多いです。一般的には2~3週間程度を見ておくといいです。

さて、ここまでNISAの口座開設が済んだら、いよいよ投資の実践です。投資は長期・短期、売買目的・配当目的など、人それぞれのやり方やスタイルがあるので、一概にいうことはできませんが、NISA口座の特徴を把握した上でのおすすめや人気の投資先は存在します。実際にNISA口座で現在人気なのが、高配当を行っている上場企業です。高配当を出している企業は、東証一部の中でも大きな売上高を誇っている日本を代表する企業に多いですので、実際に見てみることをおすすめします。また、上場会社の中でも、相場のボラティリティが大きく、大きな売買益を短期で狙うことのできるマザーズや東証二部などの個別銘柄も人気です。高配当、高い売買益、このどちらも、NISAの年間120万円までという少額投資枠を十分に活用するための条件というわけです。

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