利用限度額から見えるクレジットカードの仕組みとは?

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クレジットカードの利用限度額は使い過ぎを防いでくれる

クレジットカードは現金を持ち歩かなくても、カード1枚で支払いができるので大変便利なアイテムです。しかし、便利すぎるがゆえに、いつの間にか自分の支払い能力以上の買い物をしてしまうケースがあります。引き落とし日に口座にお金がないと支払いができず、カードが使えなくなってしまう事態も考えられるので、カードが使える限度額が存在することで、事前に事故を防ぐことができます。それが、私たちひとりひとりに与えられたクレジットカードの利用限度額なのです。

クレジットカードの利用限度額はカードの種類によって異なります。一般のクレジットカードはゴールドカードやプラチナカードなどのステータスカードに比べて利用限度額が低くなっており、ステータスカードの中には利用限度額がほとんどないものもあります。また、同じクレジットカードを持っていたとしても個人によって限度額に違いがあり、これはカード会社が審査の上で決定した、そのカード会員の収入などから導き出された額になっています。

勘違いされやすいのですが、利用限度額は毎月設定されているものではありません。今現在の未払い額の合計なので、場合によってはおよそ2ヶ月分の利用料が合計された金額になるケースもあります。例えば、月末締めで翌月の26日払いの場合、8月にカードを利用した分は8月31日に一旦締められ、実際に口座から引き落とされるのは9月26日になります。26日までは8月の利用分は引き落とされないので、8月中に限度額ギリギリまでカードを使ってしまうと、9月中は26日を過ぎてからではないとクレジットカードでの買い物がほとんどできなくなってしまうのです。8月31日に行われる締めとは、8月にいくら使ったのかを計算するために行われるもので、引き落としがされる日でも、クレジットカードの利用額が再び\0になる日でもありません。

利用限度額はキャッシングも含んだもの

クレジットカードは一括払いや分割払い、リボルビング払いだけができるカードではありません。キャッシングもまた、クレジットカードが持つ重要な機能のひとつです。キャッシングとは銀行やコンビニなどのATMで現金を引き出すことで、すぐに現金が必要な時に便利です。ただし、キャッシングは金利が高く、長い間借りていると引き出した現金よりも多くのお金を返さなくてはいけません。

キャッシングももちろん無制限で行えることはなく、利用限度額が定められています。こちらも個々の収入の状況に合わせて設定されるので、収入や社会的地位が高い人は限度額も高く、逆に収入が低かったり安定した収入ではなかったりする人の場合は、限度額が低くなります。キャッシングの限度額とショッピングの限度額には深い関係があり、これを理解していないと後でカードが使用できなくなるかもしれないので注意が必要です。

例えば、皆さんのクレジットカードの総利用枠が50万でそのうちキャッシング枠が20万だった場合、キャッシングですでに20万を利用したなら使える残りの分はショッピングの30万です。この30万はショッピングでのみ利用することができますが、再びキャッシングをすることはできません。一方、ショッピング枠は総利用枠とほとんど同じなので、ショッピングで50万利用した場合、キャッシングを20万することができません。そのため、ある月にショッピング枠を限度額いっぱいまで利用してしまうと、口座から落ちるまでは現金が必要になってもキャッシングができなくなります。

クレジットカードを上手に使うためには、中長期的な目で利用状況を見てあげることが大切です。次の月のことも考えながら今の月の利用状況をオンラインのマイページやアプリなどを使ってしばしばチェックしてあげると、翌月に涙することなくキャッシングにショッピングにカードライフを楽しめむことができます。

利用限度額に達してしまった!どうしたらいい?

クレジットカードでの買い物はスマートでスムーズなので、少し買い過ぎてしまったという場合もあるかもしれません。もしもクレジットカードの利用額が限度額に達してしまったら、いったいどうしたら良いのでしょうか。一般的に限度額を超えてしまったクレジットカードは一時的に使用ができなくなります。会計時に使用したとしても認証されずにエラー表示となるので、いわば強制的に一時退場の状態に置かれてしまいます。その時は銀行口座から利用分が引き落とされて、再び利用額が回復するまで待たなくてはなりません。

しかし、すでに使ってしまった分の額を減らす方法はあります。引き落とされる日を待たずにカード会社に支払いをして、利用額を回復させるという方法です。これは繰り上げ返済と呼ばれ、通常の引き落とし日より前に返済をすることで、再びクレジットカードの利用額を減らすことができるのです。

ただし、この方法には注意点があります。それは、繰り上げ返済をした当日や翌日すぐにカードの利用額に対して返済が反映されるケースばかりではなく、カード会社によっては数日後に回復することもあるからです。もちろん、カードの使いすぎを避けることも重要ですが、繰り上げ返済をする場合は日にちに余裕を持って行うことが大切となります。

また、利用限度額は厳密なものではなく、例えば限度額が30万のクレジットカードを利用した場合、ちょうど30万分だけショッピングやキャッシングができないわけではなく、多少30万からはみ出たとしてもカードは使えるようです。限度額超過分にはどのくらいの許容幅があるかは各カード会社やカードのランクなど様々な条件によって異なるので明言はできないですが、数千円程度であればたとえ限度額を超えても利用できる可能性があるようです。

利用限度額を上げるためにはカード利用履歴がカギになる

毎回限度額ギリギリの利用をしており、あとどのくらい利用できるのかをいちいち計算したり、頻繁に繰り上げ返済をしたりするのは面倒と感じる人も多いと思います。自分が今持っているクレジットカードの利用限度額が低く、思うようにカードを使えないと悩んでいる人は、利用限度額を上げるという選択をしてみましょう。実は、利用限度額は上げることが可能なのです。

利用限度額を上げる方法にはいくつかあります。ウェブ上に自分専用の管理ページがある場合はそこから上げられますし、カード会社に直接電話で連絡して上げることも可能です。しかし、注意をしなければいけないことがあります。限度額を上げるためにはカード会社の審査を通過しなければならないのです。その際にはクレジットカードヒストリーがチェックされます。もしも利用歴がほとんどなかったり、延滞した過去があったりすれば、限度額が上がるのは難しいかもしれません。限度額を上げるためには普段からカードの使い方に気をつける必要があります。

また、限度額が20万だったものを、いきなり50万、100万という今までの額からかけ離れた数字で申請するのも、審査に通過しない可能性が高まります。限度額を上げるコツは、焦らずに10万、20万くらいずつ徐々に上げていく方法です。年に1、2回の増額依頼を繰り返していけば、気がついたらそのクレジットカードが持つ最高限度額まで達しているかもしれません。

もうひとつ限度額が上がる方法があります。こちらから特別何も申請をしなくても、カード会社の独自の判断で勝手に限度額が上がっていることがあるのです。これはある意味カード会社から信用されていることの表れなので、喜んで良いことかもしれません。このケースでは通知なしで知らないうちに限度額が高くなっていることもあるので、気がつかないうちに使い過ぎてしまわないように注意しましょう。

本当に利用限度額は高い方が得?

利用限度額が低いと、大きな支払いをしたい時に自由にクレジットカードが使えないので、限度額は高い方が便利という人もいます。しかしその一方で、クレジットカードを普段あまり使わず、海外へ出かける時にだけ利用するなどという人は、限度額が高過ぎるカードを持っていることに不安を感じるケースもあるかもしれません。では、クレジットカードの限度額は高い方が使い勝手が良いのでしょうか。それとも、低い方が安全ですかね。

この疑問に対する答えは、カード会員の考え方によって変わってくるので正答はありませんが、それぞれのリスクを知っておくことで、自分が求めている限度額が見えてきます。限度額が高いことによって起きるリスクは、カードの不正使用です。悪意のある第三者に使われてしまった時、利用限度額が高いと被害にあう額も大きくなります。もちろんカード会社が補償してくれる可能性もありますが、発覚が遅れてしまった場合や被害額が補償の範囲を超えた場合などは補償外の対応になることもあり得ます。手続きにも時間を割かなければならず、心労も大きくなります。一方、限度額が小さいことによって起きるリスクは、いざという時の支払いに使えないことです。突然大きな支払いをしなければならなくなった時に限度額が低いと、クレジットカードが使用できない可能性があります。

利用限度額は増やすこともできれば減らすこともできます。不正使用のリスクを減らしたい時や、カード会社に勝手に限度額を上げられて困っている場合などは、カード会社に連絡して減らしてもらうようにしましょう。また、キャッシング枠も減らすことが可能です。キャッシングはすぐに現金が手に入ることから不正使用の被害にあいやすいので、キャッシングを普段から使わない人は額を減らしてもらうと良いかもしれません。まったく使わないし使う予定もないという人は、その額¥0まで減少させることができます。

一時的に利用額を上げる場合も審査がある

普段クレジットカードの限度額は小さいままで良いけれど、年に1回の家族旅行では出費が多くなるため、その時だけ一時的に限度額を上げたいという場合、カード会社は対応してくれるのでしょうか。実は、カード会社はそのような顧客の要望にはきちんと答えてくれます。そのため、大きな買い物をする時や旅行に行く前にはカード会社に連絡して、一時的に限度額を上げてもらいましょう。

カード会社への連絡はオンライン上でも可能ですが、電話が最も早くて確実かもしれません。特に旅行へ行く直前など時間がない場合は、電話で連絡をし、すぐに限度額を上げるための手続きを踏むことをおすすめします。旅行中にクレジットカードが限度額を迎えてしまい、支払いができなくなるという事態を事前に避けるためです。特に海外旅行をする際に途中でカードがストップしてしまった場合は、ホテルに泊まれなかったりレンタカーを借りられなかったりと、旅行を継続していくことが難しくなる場合があります。勝手が分からない海外で路頭に迷ってしまわないように、時間に余裕を持って事前にカード会社に利用額を上げたい旨を伝えておきましょう。

では、いったいどれくらいまで利用額を上げられるのでしょうか。そのカード会社によって基準は異なりますが、今までの限度額のおよそ1.5倍から2倍くらいまでというのが相場のようです。ただし、誰でも限度額を上げられるわけではなく、ここでもカード会社による審査を通過しなければなりません。審査を通るためには、普段からクレジットカードヒストリーを積み上げておく必要があります。また、審査に通ったとしても引き上げ幅はせいぜい2倍程度なので、元から限度額をかなり低めに設定していると、いざたくさんの支払いがあるという時でもあまり大きな買い物をすることができない可能性があります。

クレジットカードは利用限度額を上げるにも「信用」が大切

クレジットカードのクレジットは「信用」を意味するように、クレジットカードはカード会社とカード会員の間にある信用で成り立っています。その信用が一度崩れてしまうと取り戻すには時間がかかるため、普段から滞納をせずに、使った分はきちんと支払っていくことが大切になります。信用はクレジットカードを作る時だけではなく、限度額を上げる時にも役立つものです。たとえ一時的な限度額の上昇に対しても、カード会社は審査をします。その際に信用がないと、限度額を増やすことはできません。限度額が増やせないことで旅行や買い物ができないなどの事態に陥ってしまわないように、普段からカード会社から信用されるように振る舞うことを心がけましょう。

また、信用は延滞だけが壊すものではありません。カード会社とカード会員の間に長年に渡るやりとりがあってこそ、信用が得られるのです。もしもそのクレジットカードを作成してから一度も使っていなかった場合、カード会社はその会員をそれ以上信用すべきかどうかの判断ができません。カード作成時に決めた限度額がそのカード会員の信用の数値であり、それを利用歴がない状態で上げて欲しいという要望に答えることができないのは当然のことかもしれません。そのため、延滞もなく限度額以上の支払い能力があったとしても、クレジットカードヒストリーがない人には限度額を引き上げることは難しいといえます。

普段から少額でもカードを積極的に使うようにしクレジットカードヒストリーを育てていくことが、カード会社からの信用へと繋がっていきます。今までクレジットカードが財布の肥やしになっていた人は、これを機にカードで買い物を始めてみてはいかがでしょうか。クレジットカードの多くはポイントも付くので、カードを利用するたびにお得を肌で感じられると思います。カード会社からの信用は、1日だけで築かれることはありません。信用を得るには時間をかける必要があり、長い目でクレジットヒストリーを育てることが大切です。

 

 

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